東京高等裁判所 昭和30年(う)631号 判決
被告人 滝川武
〔抄 録〕
論旨第四点。
所論は逮捕状及び勾留状に各記載されている有効期間なるものを逮捕或は勾留期間そのものの如く誤解したことに基因するもののようである。右有効期間というのは逮捕状についてはその期間(本件においては逮捕状の発布は昭和二七年六月三〇日で有効期間同年七月七日迄)経過後はその逮捕状は失効しこれによつては逮捕することが出来ないという意味であり、勾留状についてもその期間(本件においては勾留状の発布は昭和二七年七月三日で有効期間は同月一〇日迄)後はその勾留状によつては勾留の執行に着手することができないという意味なのである。その勾留状の有効期間内に勾留の執行が為された場合の勾留の期間とは全く別個のものである。本件逮捕状、勾留状によれば正当に逮捕され正当に検察庁に送致され、正当に勾留の請求が為されて正当に勾留が執行されているのであり、本件勾留請求のとき本件逮捕状も添附されていた事は勾留状の被疑事実の要旨欄に、別紙逮捕状指示の逮捕状請求書記載のとおりと記載されていることから見ても明白である。本件勾留は所論のような不法勾留で憲法第三三条に違反するものとは認められない。論旨は理由がない。